整理をしていたら、ある会社の「システム事業部の期待する技術者像について」という文書が出てきた。
この会社は、結局、社長が行方不明となって終わったのであるが、この文書の内容に関しては共感できるとことが大いにあるので紹介したい。
ただし、これは、よその会社の社員に求める人間像である。要求レベルは結構高い。
優秀な人を集めて、教育し、単価のいい仕事を取ろうとしたわけだ。
「見込みのある人を教育して、その人やその所属会社とともにメリットを分かち合おうと考えています。ですから、スキルのある、即戦力の人も歓迎しますが、可能性のある、教育しがいのある人を送り込んで下さい。」
ただし、ソフトウェア開発に携わる人向けなので、そのつもりでお読み下さい。
「私どもの求めている技術者像を表す表現を並べてみると以下のようになるかと思います。
(1)基本的に明るい人、協調性のある方
(2)報告、連絡、相談の大切さを知っていて、実践できる方
(3)知的な方向性のある方
時には英文の、時には専門用語の羅列の資料を結構な量、読んで仕事をするというケースはまれではありません。それに耐えられないと長続きしません。
(4)向上心のある方
年齢、ポジションなどにより、ここまでできていればよい、ここまでは求められる、というものが変化します。進歩のない人よりハングリー精神のある人を求めます。
(5)変化する技術動向を自分でもウォッチし、自分の方向性を考えられる方
この業界では、技術者は自分自身をどう育てていくかを考える必要があります。それがない人は困ります。
(6)出来る限り、必要な場面では、具体的な、言動レベルでものが考えられる方
たとえば、単に一生懸命やります、ではなく、1週間以内にOracleマスターシルバーを受けて合格します、準備状況は毎日報告します、というように言える人。
(7)トラブルから逃げない方
人間ですから、ミスやトラブルは色々あります。それから逃げない人を求めます。
(8)ごめんなさい、済みませんでした、が言える方
(9)上には上が居ることを理解している視野の広い、背伸びしすぎない方
ある人が有能でどんなにできても、大概、それより上の人は居ます。自分の長所、短所、性格等を素直に受け入れることのできる人が望ましいです。過去に虚勢を張って玉砕した人が何人か居ますが、後始末が大変で、時間も大いに無駄になりますので、そういう人は入れないように工夫をしてきているつもりです。」
最後に、求めない人間像というのもあった。念が入っている。
「最後に、こういう方はご遠慮下さい、というサンプルを挙げさせていただきます。
(1)新聞も雑誌も本も読まない人
(2)言われたとおりに仕事をやっていれば、スキルがついて、上級プログラマやSEになれると考えている人
(3)バイク、車、つり、バンドや劇団活動等を主体と考え、ソフトウェアの仕事はそのための手段と考えている人
(4)指示がないのに勝手に残業や徹夜をして翌日体調が悪いと言って休む人
(5)昼は一人で弁当を食べ、飲み会等には出ないで、できるだけ定時退社で自分のペースを通そうとする人。
(6)座っているだけでお金をもらおうという人
(7)アウトプットが出ない、または遅れているときに、一生懸命やったということだけを強調する人
(8)目録だけを尊重する人。例えば、Oracleの本なら8冊持っていますと言って、ほとんど読んでいない人
(9)効率や内容を考えずに生活残業をする人
(10)手を動かして忙しければ仕事をしていると考える人
(11)唯我独尊の人
(12)要求されたことを必要最低限の水準でクリアすれば自分の義務を果たしたと思う人
(13)茶髪、長髪、ピアス、マニキュアなどで自己主張をする人」
以上であるが、あえてコメントはつけないことにする。
あくまで、よその会社の社員に求める技術者像であることを、再度、お断りしておく。
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